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【茨城大学工学部准教授 寄稿文③】自転車の利用環境から考えるまちづくり

茨城大学工学部 都市システム工学科 准教授 平田輝満

自転車が車道を安全に走ることができる道路整備

詳しくは前述の国交省・警察庁から公表されているガイドラインをみると分かりますが,自転車が車道を安全で快適に走行できるように,状況に応じて様々な道路の整備形態が示されています.

 

海外では車道の左側に自転車が専用に走る空間が整備されていることが多いですが,日本では車道の左側に十分なスペースがあることは少なく,道路の幅を広げて自転車のための空間を整備することは短期的には難しいため,そのような道路路線では将来的には専用の自転車道を整備することを目標にしつつも,短中期では暫定的に車道において自動車と自転車を一緒に走らせる「車道混在型」が提案され,全国の都市でそのような整備が進展しています.

 

図5はガイドラインで示されている整備イメージですが,十分な幅員がとれる場合には「自転車道(車の車線と縁石などで構造的に区切る)」や「自転車専用通行帯」(写真3)を整備し,それが難しい場合には下段の方に示してある「車道混在」として,道路の路肩部分や車道内を自動車と自転車が一緒にシェアしながら走ることを前提とした整備を行うことが推奨されています.

 

交差点においても矢羽の路面標示で自転車の走行位置を示します(写真4).日本においては「自転車は車道を走る」という意識が未だ低いため,車道混在型の場合には,車道上に「ココは自転車も走るところだ」ということを路面に目立つように表示して,自転車サイクリストが車道を堂々と走れるようにするとともに,むしろ自動車ドライバーに対して自転車サイクリストに十分注意と配慮をして運転させることが重要な目的となっています.

 

このような視点の重要性は水戸市の審議会においても自転車交通の専門家から強調されており,海外においてはクルマが自転車を追い越すときは1.5m以上離れて追い越すような運動やルールがあることも紹介されていました.日本でも愛媛県が同様の運動を行っているそうです(思いやり1.5m運動.図6).

 

海外においても,当然ながら全ての道路で自転車専用の道路があるわけではないので車道混在型も多く存在し,インターネットで調べてみると,クルマのドライバーに対して,「道路はみんなのもの,思いやりの心をもち,一つの道路を安全にシェアしよう」といった趣旨の啓蒙運動やサインの設置が盛んなことがすぐに分かります.

 

私も日立や水戸で自転車に乗ることが多いですが,車道を走っていると,ものすごいスピードですぐ脇を追い越していくクルマがいて怖い思いをすることもあります.狭い道路では後ろから煽ってくるクルマもいます.ドライバーのこのような意識を変えることがなによりも重要であることは言うまでもありません.自分の家族や子供が自転車に乗っていたら,その脇を同じような運転で追い越すでしょうか.自分が自転車を乗っていて同じことをされたらどのように思うでしょうか.自転車だけではなく,もちろん歩行者に対しても同じです.

 

クルマ中心の考え方やクルマのための道路整備から,人を中心にした考え方や人にやさしいまちづくりに変革する必要性が叫ばれて久しいですが,歩行者とも自動車とも深く関わり,環境や健康にやさしい自転車のことを考えるときには,自転車のことだけではなく,より広く,交通全体・まちづくり全体を考える良い機会になると思います.

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図5 自転車走行空間の整備イメージ(出典:国交省・警察庁「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」H28)

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写真3 車道の路肩をブルーに塗装して自転車専用の走行空間にした事例(東京都墨田区の国道6号線(水戸街道))

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写真4 東京都文京区の白山通り(左)と東京都港区の札ノ辻交差点(右)(矢羽で交差点内の自転車走行位置を明示.自転車停止線を前出しし左折巻き込みを防止.交差点の隅切部に自転車の2段階右折用の溜まり場所を設置.)

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写真5 大阪市の本町通(自動車への注意喚起を路面に標示)

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図6 愛媛県の「おもいやり1.5m運動」「SHARE THE ROAD」のポスター(出典:愛媛県自転車安全利用研究協議会)

 

【茨城大学工学部准教授 寄稿文 ④ 】自転車の利用環境から考えるまちづくりはこちら>>

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